退職引き止めの対処法と残った場合のリスク




こんにちは、TSです。
退職しようとするとよほど普段から煙たがられていない限り、上司や先輩から引き止めをされます。
筆者も職場で一度退職しようとして引き止められたことがあり、その時に色々条件を出されたり説得されたりして結果的に残ってしまったのですが、今回はそのあたりのことやその後どうなったかを書いていこうと思います。
退職の意志を伝えた後で引き止められて迷っている、と言った方は参考にしていただければと思います。
引き止めの理由
まず簡単に何故引き止めをするのか、その理由を述べて行こうと思います。
引き止めの理由を知ることで相手の気持ちを理解することができて、その後どうすればよいかが見えてきます。
人手が足りないから
一番の理由が人手不足です。
近年では少子高齢化が進み人手不足が叫ばれており、特に中小企業などの人手を集めにくい企業からしてみれば一人の退職でも大きな痛手となっています。
一人当たりの求人数を表す、有効求人倍率においては労働政策研究・研修機構によると、2017年8月は全国で求人倍率が1.52倍、2018年1月には1.59倍といずれも高水準であり、今後もしばらくは伸び続けると言われています。
従って、仕事はあるけれども人は足りないと言った状態なので、少しでも人が来てほしいのに逆に人が去って行ってしまっては企業の存続にも関わります。
最近では人手不足倒産と言った言葉もよく聞きますよね。
上司の評価に関わるから
部下が辞めたとなるとその原因を問われ、上司のマネジメント能力が不足していたのではないかと会社から判断される可能性もあります。
また、人が一人辞めたことで同じ課や部の他のメンバーのモチベーションが下がったり、転職・退職への敷居が下がってしまって芋づる式に退職者が続出したりと良い事はありません。
今までギリギリで何とか回せていた仕事が一人欠けたせいで回らなくなり残業祭りになった、時間をかけて仕事を教えてきた後輩が辞めたので教えた意味がなかった、そうなってしまうと悪影響が起こり上司としても好ましい状況とは言えません。
自分のためを思って
とても親切で自分の事を見てくれている上司の場合、自分の事を心配して引き止めてくれる場合もあります。
特に仕事が嫌で辞めたい、今の仕事は自分に合わないと言った逃げの理由の場合、転職後も同じことを繰り返してしまう可能性は十分に考えられるため、上記のような会社や上司の都合でで引き止めていると思い込むのは危険です。
思い当たる節がある場合は率直に退職するのではなく、一度相談したうえで他にできる対策がないか考えてみましょう。
誰のためを思って言っているかの線引き、判断は非常に難しいですが、自分の事を思って言ってくれる上司がいる時点でその会社はホワイトです。
恵まれた環境を棒に振らないためにも安直な行動は避けるべきです。

引き止めの一例
次にどのような引き止めがあるか、一例を書いていきます。
条件提示
一番多いのがこのパターンで、筆者も実際に言われたことがあります。
給与アップ・昇進
単純な例ですと、「会社に残ってくれたら給料を倍」にする、「君に次出来る予定の部署のトップを任せようと思う」などがあります。
中小企業など社長や部長が決定権を持っているところであれば前者が、大手のように直ぐに給与体系を変更できないような会社であれば後者のような例が多いと聞きます。
部署移動
「今の部署が嫌なら他の所を行ってみてはどうか?転職はそれからでも遅くない」と言ったように環境を変えるような案を出してくることもあります。
脅し
次に、退職した場合に不安をあおるような言葉を投げかけて踏みとどまらせようとするパターンです。
筆者の職場ではなかったですが、ブラック企業などではこのような事例もまかり通っているようです。
今やめるなら損害賠償を行う
「今のタイミングで辞めると顧客に迷惑が掛かり損害が発生するからその分の賠償金を貰うよ」、「裁判起こすよ」といったものがここでは挙げられます。
ただし我々雇用者には職業選択の自由があり、法律で職場に拘束することはできません。
法律上は最低2週間前に退職の旨を伝えれば良いとされているので、最悪の場合、内容証明郵便で退職届を出して証拠として手元に残しておき、裁判を起こされても正面から立ち向かう姿勢で居ましょう。
ここまでするとまず裁判を起こされることはありません。(会社側が勝てないので)
この会社でやっていけないならどこでもやっていけない
この会社でも無理なら他でも無理だからと決めつけて自信を折るパターンです。
これも一種の脅しにはなりますが、先ほど述べた通り本当に自分のためを思って言ってくれている場合もあるので、普段からどのように思われているのか、自分を客観的に見てから脅しか本心か判断しましょう。
泣き落とし
ただでさえ退職するときは切り出しづらいものですが、中には情に訴えて泣き落としをしてくる場合もあります。普段お世話になったきただけに一層断りづらくなりますよね。

引き止め対策
では引き止められたらどうすればいいか、その対策を書いていきます。
確固たる意志を持つ
心構えの話です。
まずは絶対に辞めるんだ!と言った強い意志を持ちましょう。
ただしこの仕事が嫌だからやめる、人間関係が嫌だからやめると言ったマイナスの理由だと会社側も「だったらこうしよう」と代替案を出し引き止めやすくなってしまいます。
この職場ではできないような●●の研究がしたい、〇〇の職種を体験してみたい!と言ったプラスの理由を持てると良いですね。
相手の意見はしっかりと聞く
一つ目と少し矛盾はしているかもしれませんが、引き止めをしてくれると言う事は少なくとも会社に必要とされておりそれだけあなたに価値があると言うことです。
最初から頭ごなしに辞めたいと貫くのではないのか、どういった理由で残って欲しいのかをじっくり話し合った上で一度相手の意見も聞き入れそれを踏まえた上でどうするのかを決めていきましょう。
目先のことにだけ目を向けると後々「もっとしっかり話を聞いておけばよかった」と後悔することになりかねませんよ。
タイミングを選ぶ
民法上では退職の2週間前にその旨を示せばよいとありますが、会社の社内規則では1ヵ月以内などとなっている場合もあるでしょう。
その場合は円満退社を望むなら極力会社側のルールに合わせるようにしましょう。
また、大きなプロジェクトを抱えていたり、お客さんとのやり取りがある期間も避けるようにしましょう。そのタイミングで辞めてしまうと多くの人に迷惑をかけてしまいます。
周りの人のことも考えて引継ぎの事を考慮しスケジュールを決めておくと良いでしょう。
円満退社と言う言葉が出たので引止めを断って円満退社をしたい方へのアドバイスもいかにまとめておきます。
辞めざるを得ない状況にもっていく
引き止められると思われると畳みかけるように退職できない状況にしようとされます。
例えば既に転職先が決まっている、自営業の家を継ぐことにした、国家資格を取ってその資格がないとできない仕事をすることにしたなど、付け入るスキを与えなければ引き止めも最低限で済みスムーズにやめることができます。

残留するとどうなる?
筆者は一度退職願を出してから引き止めに合い残ったことがあります。
他のサイトやブログでもなかなか残った後にどうなったかと言った実体験を書いている方は少なかったので、少し触れてみようかなと思います。
まず状況は変わらない
引き止めの時に色々と条件をだして残ってくれたら〇〇すると言われてもその条件や約束が守られることはまずありません。
筆者の場合は2年前に退職すると言ったところ、希望の研究職か営業職に近々移動を考えていると言われましたが未だに経理です。
そもそも自分が所属するグループの課長や部長の判断だけで移動出来るとは限らないため、条件が守られないことは多々あるそうです。
下手すると裏切り者のレッテルをはられる
一応退職はその課の中だけでの話であり、退職しようとしていたことを他言するなと課長の方から事情を知る同じ部署のメンバーには伝えて頂けたのですが、後日別の部署の同期と話した時にそのことを当たり前のように知っていました。
人のうわさは思った以上に早く広範囲に広がるので、一度退職しようとして辞めた場合はすぐに社内でその話が出ることは覚悟しなければなりません。
直ぐにまた辞めるだろうと言った理由から重要なプロジェクトや研修にも参加させてもらえなくなる可能性もあります。
引き止められた人の半数は退職する
上記のような理由もありますが、結局引き止めは一時しのぎにしかなりません。
引き止めで根本原因が解決されることは稀ですし、引き止められた後に残ることで上に触れたようなデメリットもあるのでその後残っていても状況が改善することはまずありません。
一度別れ話が出たカップルみたいなものです。
筆者もその後結局退職することになりましたが、残った場合周りの方でも半年~1年の間に結局辞めると言ったパターンが多いように思えたので、結局は居づらかったり改善しなかったりで辞めてしまうパターンが多いですね。

まとめ
今回は引き止めに関して、その対策と残ってしまった場合のリスクについて述べました。
一度引き止めで残ってしまっても最終的に辞めてしまうパターンが多く、その間の時間がお互いにとって無駄でしかありません。
一度辞めると決断して退職のカードを出したなら途中でとどまらずにキッパリ辞めてしまった方がその後すんなりいきます。
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