外資系は年収が高いは嘘!?FPが語る見かけ上の高収入の罠



こんにちは、TSです。
外資系企業というと高収入でお金持ち、都心の高層マンションに住んでてブランドの服を着て・・・と絵にかいたようなセレブを思い浮かべる方もいるかと思います。
確かに外資系企業の情報を見てみると年収1,000万円越が多く、その額だけを見ると大金持ちのように思えてきます。
しかしそこには実は見えない罠がいくつも潜んでいて、安直に外資系企業入社を決めるには危険があるので、今回はファイナンシャルプランナーでもある筆者がその罠について紹介していこうと思います。
外資系企業とは?日系企業との違い
そもそも外資系企業とは何ぞや、日系企業との違いって何?と言う方も多いかと思います。
筆者も就活を本格的にはじめるまで名前は知っているものの明確な基準を把握していませんでした。
外資系企業とは
外資系企業の基準としては経済産業省によると3分の1以上の株式を外国人もしくは外国法人が所有している企業
が外資系企業だとされています。
ただしあくまで基準であり、実際には3分の1以上の資本を海外が所有している企業でも日本企業とされている企業は沢山あり、定義が明確にされているわけではありません。
外資系企業の主な特徴としては以下の通りです。
- 即戦力を求める
- 成果主義
- 個人重視
- 企業への帰属意識が低い
- 意思決定スピードが速い
外資系企業ではあまり人を育てるといった概念がなく、最初から戦力となる人を採用し、成果が出せればその分収入も高くなる傾向があります。
そのため入ってからも勝負で常に成果を上げる必要があり、万が一成果を上げられなかったらリストラされる危険性もあります。
また仕事の内容やスピード、裁量に関しては個人に委ねられる側面もあり、社員の帰属意識も低いため例えばやるべきことを高速で終わらせてしまえば早く帰ってプライベートを充実させるといったことも可能です。
日系企業とは
逆に日系企業はどのような特徴があるのでしょうか。
主に以下のような点が挙げられます。
- 人を育てる
- 年功序列
- 組織優先
- 企業への帰属意識が高い
- 意思決定スピードが遅い
日系企業は人を育て、家族のように大切にする側面があり、どちらかと言うと成果主義よりも年功序列の風習が根強く残っています。
そのため一度入ってしまうと年功序列で年収が上がっていき、成果が出せなかったとしてもクビになることはほぼありません。
そのため企業への帰属意識も高くなり、組織で動くことも多くなるので頑張らなくても生きていける反面、誰かが足を引っ張ると連帯責任で自分達も残業を強要されたり、カバーに回らないといけなくなってしまいます。
外資系企業が高収入のワケ
一般的に外資系企業は高収入といわれていますが、そこにはそれなりの理由があります。
具体的な理由は以下の通りです。
成果主義
まず、外資系では個人の成果が問われ、成果を出せば出すだけ直ぐに報酬に反映されます。
結果的に20代や30代の若い人でも結果さえ出せていれば高収入を得ることができます。
対して日系企業は前述の通り、年功序列が強いため成果をガンガン出してもまったりペースでやっていても多少出世に関係するとはいえ、大きく差が開くことがあまりありません。
このことからも若いうちに実力に伴って給料が増える外資系のほうが日系企業より額面上高くなりやすい性質があります。
リストラがある
では外資系で成果を出せない場合はどうなるかと言われると問答無用でリストラされます。
リストラと言っても、最近は労働基準法で雇用者も守られているんじゃないの?と言いたいかもしれませんが外資系は例外です。
外資系の給料に関しては、担当する仕事によって決定する職務給と呼ばれる制度が用いられており、「職務内容を限定して採用し、その職務を担えないことが明らかな場合の解雇は解雇権濫用とはならない」と裁判所に判断されてしまうと労働基準法でも守られないためバッサリ切られてしまいます。
よくUp or Outと言われるように、仕事が出来れば給料は上がっていきますが、仕事ができない人は出ていくしかないので結果的に企業における平均年収が高くなるのは当たり前ですね。
インセンティブが多い
私が内定をいただいた企業もそうでしたが、外資系企業では年3~4回賞与を設けているところも多く、日系企業に比べて年収に占めるボーナスの割合が圧倒的に多いです。
この点に関してはただただ羨ましい限りですね。

高収入に潜む罠とは
外資系企業と日系企業を比べると額面上では大きな差があります。
筆者も一度転職活動で外資系の企業から内定をもらい、第二新卒でスキルがそこまで明確で無いにもかかわらずもともといた会社よりも100万円ほど近い年俸を提示され、舞い上がっていく気満々でした。
しかし色々調べていくうちに結果的に損だということに気付き、その会社からは内定を辞退しました。
余談になりますが、未経験で転職出来たその時の話は下記を
内定を辞退したときの話は下記をご参照ください。
改めて、結果的に損と判断できる根拠を3点書いていきます。
福利厚生が乏しい
まずは外資系企業は福利厚生が軒並み乏しく、筆者が行こうと思っていた企業も皆無でした。
具体的には家賃補助なし、家族手当なし、育児支援なしetc…
もともと居た企業ではそれらの補助があり、それだけでも可処分所得で月7~8万円変わって来るのでその差は非常にデカかったです。年間に直すと可処分所得に100万円弱の差が出てくるのが分かります。
また、日系企業では人を育てる傾向にあり、外資系企業は即戦力を求める体質と言った通り、セミナーや資格も日系企業であれば会社が出してくれることもあるのに外資系では自分でやって活かせと言ったスタンスです。
この辺でも一気に外資系企業の魅力が薄れていきました。
退職金がない
外資系企業では退職金がないところも多く、一方日系企業であれば40年程勤めれば平均でも2,000万円程は貰えます。
その時点で生涯収入で大きな差が生じ、さらにリストラの事も考えると40代、50代で強制退職させられ、退職金なしで放り出された場合のリスクが大きすぎます。
高みを目指すことは大事ですが、リスクを考えることはそれ以上に大事で万が一の事を考えたとき、日系企業に残ったほうが良いという結論につながりました。
時給が良いわけではない
外資系企業は成果主義で結果さえ出せれば定時帰りでプライベートも充実すると言いましたが、まずノー残業で帰れることはありません。
才能を持った方々が努力しまくって結果を出している世界です。そんな中で短時間で結果を出せるのはよっぽどの天才か運がいい人だけです。
大抵は1日数時間の残業が当たり前でまったりからは程遠いので、めちゃくちゃ仕事してガッツリ貰うと言った考えでいたほうが無難です。
給料/就業時間の計算式で単純に時給を求めると、そこまで大差がありません。

高収入を目指す方に
外資系企業が必ずしも得ではないということを説明させていただきました。
それでも高収入を目指したい!という欲しがりさんにはオススメの方法があります。
大手ぬるま湯もアリ
大手企業・優良企業ではエスカレーター式で自動的に給料が上がっていく旨を紹介しました。
確かに外資系やベンチャーに比べると成長が遅く感じてじれったいかもしれません。
それでも恵まれていることは事実で、最終的には大きく稼げます。
焦る気持ちをぐっと抑え、ゆとりある生活を受け入れてみるのもアリですよ。
副業を始めてみよう
まったり出来る企業ではゆとりの時間が出来てきます。
そういった時間をうまく使って副業を始めるのも手です。
副業は失敗してもリスクは0ですが、成功すればするだけ伸びていき月10万程のお小遣い稼ぎも夢ではありません。
筆者も事実複数サイト(ゲームや資格)経営でぼちぼち収益を得ていますが、日系のまったり企業に居ながら稼げていたので何より失敗してもリスクがなく非常に気軽な気持ちで実践できて恵まれていたと感じています。
リスクが最小限というのは非常に良い事で、いつ切られるかわからない環境にいるより精神衛生上も良くパフォーマンスも上がるので、手堅い収益+副業の形が最強だと感じています。
稼ぐことにとらわれない
井原西鶴の言葉に「始末十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」という言葉があります。
ここでいう始末はいらないものを買わない事、物を大事に使うことを指し、儲けはそのまま稼ぎですね。
さらに注目すべきは物の価値を見切る事は千両、欲を持たないことは万両と言うことで、儲ける(稼ぐ)ことよりも断捨離したり欲を捨てることのほうが価値があるといわれています。
もちろんお金は大事で稼ぐことは必要不可欠ですが、ゆとりある生活を手に入れるためには現状に満足して無欲になることも策の一つです。

まとめ
今回は外資系企業に高収入と言う理由だけで飛びつこうとしている方に「待った」をかける目的で記事を書かせていただきました。
表面だけの額面金額にとらわれず、色々な福利厚生やライフバランス、リスクを考慮した上で企業選びをしていきましょう。
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